軽油引取税、暫定税率廃止!

こんにちは。
新座・朝霞・志木を中心に会計事務所を運営しています
税理士の吉原諒です。
みなさん、軽油引取税ってご存知ですか?
えっご存知ない。そうですか。
軽油車のドライバーの方はよく知っているかもしれません。
レシートを確認すると、消費税以外に取られている税金がある。
それが軽油引取税、通称「軽油税」です。
今日はその軽油引取税の改正についてご紹介します。
令和8年4月1日から適用されています。
暫定税率の廃止
軽油引取税は1リットル当たり、32.1円でした。
なんとも中途半端な数字ですが、
これは、
「15円の本則税率+17.1円の暫定税率」
から成っていたんですね。
ちょっと地方税法を見てみましょう。
(軽油引取税の税率)
第144条の10 軽油引取税の税率は、一キロリットルにつき、一万五千円とする。
地方税法附則第12条の2の8(軽油引取税の税率の特例)
軽油引取税の税率は、第百四十四条の十の規定にかかわらず、当分の間、
一キロリットルにつき、三万二千百円とする。
ちなみに地方税法は地方税の全てがぶっこまれていまして、大変読みにくい法律となっています。
この暫定税率に係る地方税法附則が令和8年4月1日以降は廃止され、
本則税率のみとなったんですね。
つまり、こうなります。

わたしたちへの影響は?
税率1リットル32.1円から15円への減少。
これは端的に減税ということになります。
なりますが、
ではガソリンスタンドで令和8年4月1日から
いきなり17.1円もの価格が下がったのかと言われればそうではない。
減税したのに価格が据え置かれているのはなぜなのか。
それは暫定税率の廃止と同時に、元売り業者向けの補助金が終了したからです。

※ 政府Xより引用。ガソリン税についての記載ですが、軽油も同じ考え方です。
暫定税率廃止までの間、
補助金をじわじわ上げることによって、
すでに価格を下げてきていたんですね。
最終的には暫定税率分と同じ分だけ補助金を出し、
今回、暫定税率の廃止と補助金の打ち切りを同時に行うことによって、
影響が出ないようにしたのです。
要は、減税もするが給付もやめる、
ということで結果的に価格への影響がなくなったのですね。

経理への影響はある?
この改正が経理実務に影響を及ぼすか、ということですが
これはそれほどないといえましょう。
レシートや明細書には軽油税が記載されるのが通常であり、
本体価格と軽油税が分けて表示されます。
これを確認して仕訳を切ればよいので、
事務負担にはそれほど影響は出ない。
強いて言えば、
明細がなく、推計で仕訳を切る場合にちょっと注意が必要かもしれません。
例えば、
クレジットカードで明細を取り込んで自動仕訳を切る場合で、
クレジットカードの明細に金額とリットル数の表示しかなかったりすると、
一旦は明細の金額ベースで登録して、
あとから軽油税に一部振替える処理を行うことがありますよね。
仕方がないので、リットル数×32.1円で税部分を合理的に算出して、
残余の部分を軽油本体価格として仕訳を行うわけですが、
そのときに
用いる税率が4月1日の引き取り分以降は変わることになるわけです。
合理的に税額を推計する場合は、リットル数×15円でやるようにしてくださいね。
あとは免税軽油を使っている人ですか。
そもそも免税軽油とは何ぞや、
ということは別途説明したいのですが、
道路以外で軽油を使う事業者は軽油税が免税になることがあるのです。
この免税軽油は今までなら32.1円引きで軽油が買えていたところ、15円引きとなります。
免税の枠組みの中で増税が起きているようで興味深いですが、
この免税軽油を使っている業者さんは
15円引きにしかならず、
影響が大きいものと思います。
影響を受ける、いわゆる免税業者というのは
農業の方やとび土工工事業などが主です。
余談ですけども
軽油引取税といえば、
会計業界においては忌み嫌われています。
いや、それは言い過ぎか。
でもレシートで軽油が出てくると
「あー・・」ってなるじゃないですか。
というのは、
軽油本体は消費税の課税対象であるのに対し、
軽油引取税は消費税の課税対象外だからです。
シンプルに仕訳が2行になってめんどくさい。
ガソリンであれば、
ガソリン税含めて消費税の課税対象なので、1行で済むのですが、
軽油はそうはいかず、
実務の手間が増大するんですね。
このように消費税について考慮しなくてはいけないので、
税務調査リスクもあります。
仕訳の際に消費税の考慮を忘れていた場合、
消費税の計算の際に多く引きすぎている状態になっているため、
調査で指摘があった場合は消費税の追徴課税がなされます。
運送業や建設業など、
車両や重機で多くの軽油を使う事業者さんは、
加算税まで含めると意外な追徴税額になる場合があるんですね。
その意味では、
軽油の価格に占める軽油税の割合が下がる今回の改正は、
税理士からすれば万が一の際のリスク低減につながると言えなくもありません。
以上、今回は軽油税の改正のお話でした。
ありがとうございました。
よしはら税理士事務所

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